インサイド・マン

 再見だが、結末部分が弱いという印象は変わらず。せっかく巻頭に「犯人からの観客への挑戦状」というミステリ映画っぽい趣向が用意されてるのにもったいない。
 旧ブログの感想文も再録しておく。

インサイド・マン 2007/01/13(土)
 スパイク・リーにしては珍しい、豪華キャストによるひねりの効いたケイパー映画。「狼たちの午後」+「サブウェイ・パニック」+「ホット・ロック」といった70年代犯罪映画の雰囲気が漂うのがうれしい。
 監督らしいチクチクとした社会風刺を効かせつつ、叙述トリックに物理トリックと様々な仕掛けで楽しませるが、終盤の謎解きの説明がちょっと親切すぎるような気も。スマートにピシャリと終わったほうがこの手の映画らしいのだが。

 説明が親切というか、脚本の手の内の見せ方に問題があるんじゃないだろうか。
 でも70年代のプログラム・ピクチャーとして作られていたら、多分この内容でも2時間の尺は超えなかっただろう。最近その頃の映画を立て続けに見ているが、90分前後の尺に凄まじく濃密なドラマが込められていて改めて驚かされる。だから70年代映画はやめられないのだ。