片腕マシンガール

片腕マシンガール【初回限定生産 】 [DVD2枚組 ]

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 2008年最後に見た映画であり、2009年最初に見た映画。つまり12月31日の夜に見始めて1月1日の朝まで立て続けに3回連続で鑑賞。正月早々2009年のベスト映画候補です。
 残酷、復讐、友情、アクション、笑い、パンチラ、オッパイとおよそ娯楽映画に必要な要素がほぼ揃った夢のような傑作(あと足りないのは怪獣くらい)。八代みなせ主演のアイドル映画としても完璧で、演技もアクションも初めてとは思えないくらい。
 どうやら八代さん(の事務所)はこの映画を黒歴史扱いにしてるようだけど、ズバリ言うわよ!あなたがミスマリンちゃんだということは一年も経てばみんな忘れるだろうけど、「片腕マシンガール」の主演女優だったということは百年経ってもみんな覚えてるから!いますぐ地方のパチンコ屋回りなんかやめて、続編に出演しなさい!
 そして亜紗美さんはいいね!燃えたぎるような熱い演技もアクションも素晴らしいけど、あの昭和のスケバンぽいドスの利いた声が最高!たぶん「やりやがったね…」というセリフを言わせたら、いまの日本で右にでるものはないと思います。強引すぎる腕相撲対決にも爆笑。
 鋼鉄ドリルブラが似合いすぎる穂花姐さんも含めて、ドSな女優陣がものすごく楽しそうに男たちを圧倒する姿にいろんな意味で大興奮の90分。ひたすら人体が破壊され、ナンセンスかつ暴力的なギャグの応酬の中にも井口昇監督の優しさやメッセージがちゃんと伝わってきて、見終わった後はすごく爽やかでした。
 2回目の鑑賞は、アメリカ人向けに作られたこの映画本来の形である英語吹替に日本語字幕で見たのですが、こっちのほうが“間違った日本のイメージを実写化する”という井口監督の意図が明確に伝わってくるし、さらに英語吹替というインチキくさいベールを一枚被ったことによって荒唐無稽なアクションやバカバカしいシチュエーションがより際立って面白かったです。日本語版で見たときに気になった不自然なセリフやリアクションも英語版だとまったく違和感がなくて、あれは最初から意図して演出していたのでしょうか…。
 亜紗美さんのあのボイスが聞けないのが最大の欠点ですが、日本語版で見た人も、機会があればぜひ英語版で再度見てほしいと思います。