有栖川有栖×安井俊夫「密室入門!」

密室入門! (ナレッジエンタ読本14)

密室入門! (ナレッジエンタ読本14)

 推理作家と建築家による密室ミステリ談義。
 この手のミステリ本でいつもネックになるのは「題名を明かすとトリックが明かせない、トリックを明かすと題名が明かせない」というジレンマ。未読のひとのためには仕方のない話なのだけれど、前者はともかく後者は、そんなムチャなトリック使ってるなら読んでみたい!という欲求がたまって仕方がない。学生時代にもっと本格ミステリを読んでおくんだった。
 あと、建築基準法に違反するので完璧な密室はつくれないとか、マンションのエレベーターには棺桶を積むための秘密のスペースがあるとか、建築と防犯に関するさまざまな知識がとても興味深い。

 ちなみにぼくが一番感心した密室ミステリは、島田荘司の「斜め屋敷の犯罪」です。

斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)

斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)