クローバーフィールド/HAKAISHA

クローバーフィールド/HAKAISHA スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

　冒頭のパーティシーンで「この場で殺人が起こって『犯人はこの中にいる！』って展開も面白そうだなあ」とか思いながら鑑賞。劇場で見ていたら間違いなく酔ってたと思う。「ブレアウィッチ・プロジェクト」同様、テレビ画面で見るのが正しい作品（自分には）。
　前半の9.11そのまんまの日常崩壊描写はよくやった！という感じだが、「ブレア〜」のような突き詰めた擬似ドキュメンタリーではなく、あくまで大作娯楽映画なので、ちゃんとドラマティックな展開が用意されていたり、役者の演技っぽい部分が時々見えたり（特に軍人さん）して、ときどき「あ、これ映画なんだよな」と我に返ってしまう。　じゃあ怪獣映画としてはどうなのかと言えば、POV撮影のために“避難民を満載したブルックリン橋が崩壊”とか“マンハッタン島大空爆”とかの見せ場があっさり流されてしまったり、せっかくの食人怪獣なのに露骨に人を食うシーンがほとんどないのが非常にもったいない。しかしイヤーな感じの人体破壊描写や終末感あふれる最後のサイレンなど「トラウマとしての怪獣映画」の役割は果たしていて、エンディングのあの曲を含め、作り手が既存のジャンル映画をかなり研究した様子が伺える。うーん、やっぱり映画館で見ないとダメかなあ。