ウィッカーマン(1973年版)

 この映画が1800円で買えるとは。ありがたい話である。
 ミステリー、怪奇、民俗学、ミュージカル、エロティシズム、不条理劇に受難劇と様々な要素を折り込みつつ、一歩間違えるとモンティ・パイソンのスケッチになりそうな物語(実際にわざと一歩間違えてみせたのが「ホット・ファズ」)に不気味なリアルさを与えるのが、スコットランド地方の幻想的なロケーションに、サマーアイル卿ことクリストファー・リーの怪演、そして70年代の雰囲気が濃厚に漂うフォークソングと土着民謡が入り混じった素晴らしいサウンドトラック。見終わってから気づく冒頭の字幕の仕掛けも楽しい。しかしあんなエロい島なら一度行って見たいぞ。
 本編はきちんとリマスター済の高画質で、特典映像としてドキュメンタリー「ウィッカーマンエニグマ」とアメリカのテレビ番組「クリティクス・チョイス」を収録。脚本のアンソニーシェーファーが自作「探偵/スルース」を念頭に書いたことを明かしたり、苦労して脚本を完成させ、電話でC・リーに「今度の映画の題名は『ウィッカーマン』っていうんだ」と言ったら「ああ、生け贄の話?」と一発で見破られてガッカリしたり、興味深いエピソードがいっぱい。基本的にはスティングレイから出ていたBOX版のディスク1と全く同じものだと思うのだが、5.1ch音声は未収録。
 ユニバーサルからの再発売ということで気になる字幕だが、例によって全体的に訳は固いものの、個人的には許せる範囲だと思う。誤字・脱字も2ヶ所ほど見かけたが、うち1ヶ所は主人公が誤って女性が入浴中の部屋へ入ってしまうシーンで「失礼しました」とすべきが「失礼しまた」となっており、それが主人公のあわてっぷりに妙に合っていて、ついつい笑ってしまった。それとディスクを再生中に一度停止して、リジューム機能を使わずに最初から再生するとなぜか字幕が表示されない症状が出るので注意。プレーヤーの字幕切替も使えず、トップメニューにも字幕メニューが存在しないので、手の打ちようがなくなってしまう。とりあえずディスクを一度取り出して再度挿入すると、元どおりに表示されるのだが。
 で、サントラもまだ買えるみたいなので、早速注文した!
Wicker Man

Wicker Man

  • アーティスト: Rachel Verney,Paul Giovanni,Gary Carpenter,Bernard Murray,Sally Presant,Christopher Lee,Peter Brewis,Michael Cole,Ian Cutler,Walter Kerr,Michael Frye,Diane Cilento
  • 出版社/メーカー: Silva America
  • 発売日: 2002/09/24
  • メディア: CD
  • 購入: 1人 クリック: 7回
  • この商品を含むブログ (2件) を見る