タイトロープ

タイトロープ [DVD]

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 脚本家リチャード・タッグルの監督デビュー作だが、実際はほとんどイーストウッド御大が撮ったらしい。
 昔「ゴールデン洋画劇場」で見たときは主人公の性的オブセッションの描写が大分切られていたような気がするのだが、改めて見ると、こんな物語をわざわざ自作自演した御大の正直さには感心する。いや、自分の趣味嗜好を自作にきちんと盛り込む人は信用できます(例:メル・ギブソンとか張徹とか)。 
 冒頭で夜景の空撮ショットにレニー・ニーハウスのジャズが流れて…ってこの18年後に作った「ブラッド・ワーク」でもまったく同じことをやっているのも凄い。空撮で始まって空撮で終わる映画って最近見ないなあ。
 殺人鬼に襲われた長女(実の娘のアリソン・イーストウッド)の病室に、別れた妻が無言で座っている場面の省略の妙、ジュヌビエーヴ・ビジョルドが犯人に反撃するシーンのカッティング、さらに御大には珍しい切株描写もあって、地味だが見せる映画。
 まだキム・ギヨンBOXも消化していないのに、これを見てしまったのでしばらくイーストウッド熱が続くかも。