殺意の香り

 ロイ・シャイダー追悼。監督は「クレイマー・クレイマー」でヒットを飛ばしたロバート・ベントンだけど、この人のフィルモグラフィを見てると中々のミステリ好きと思われる。本作は精神分析を絡めたサスペンス・スリラー。
 オークションの場面とかヒロインのトラウマとかはヒッチコック風だが、見終わった後の印象はアルジェントのジャーロ映画っぽい。特に前半のセントラル・パークの場面やシュールな悪夢はいい雰囲気。それだけに終盤の謎解きがメリル・ストリープの長台詞で全て説明されてしまうのが残念。あそこは超絶映像技巧で回想シーンを見せて欲しかった!ジェシカ・タンディのお母さんも、後半出なくなるのが寂しい。