おろち

おろち [DVD]

おろち [DVD]

 今日は朝からなんだか頭痛がするので「アタマイターイ」とヘデクパウダーのCM風に叫びながら薬(へデクパウダーではない)を飲んで寝ようと思いつつ、布団に入ってこの映画見てたらいつの間にか直ってました。楳図かずおの同名マンガを監督・鶴田法男、脚本・高橋洋のコンビで映画化した堂々たるゴシック・ロマン。ところどころにホラー映画らしいショック描写が挿入されるものの、基本的には限定された空間で展開される悲劇を役者たちの力量で見せる本格ドラマでした。
 残酷な宿命に翻弄される姉妹を演じる木村佳乃中越典子の体を張った大熱演、画面に出てくるだけで何かが起きそうな谷村美月の不穏かつ薄幸な魅力と主演女優陣がとにかく素晴らしくて、特に木村佳乃はもう「計画変更!」とか言ってる場合じゃないよ!姉妹の少女時代を演じた佐藤初山田夏海の子役ふたりもよかったです。ほぼ全員がひどい目に遭わされるんだけど。
 ちょっと残念だったのが姉妹のあいだを行ったりきたりするプロデューサー役の山本太郎(メロリンキュー)。どう見てもあの時代の映画関係者には見えないし「なんでこの姉妹はこんなもっさい男を取りあってるんだ…」と思ってしまって、もっとダンディで色気のある男優に演じさせるべきだったんじゃないかという気がしました。でも、そんな役者が今いるかと問われるとちょっと思いつかない…。
 とりあえずDVDは買います。「新宿烏」フルコーラス聴きたいので。