日本の首領 野望編
- 出版社/メーカー: 東映ビデオ
- 発売日: 2004/07/20
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一時の窮地を脱するも関西財界の後ろ盾を失った中島組は、本格的に関東進出に乗り出すため中央政財界への工作を開始。しかしその前に立ち塞がるのが関東のドン・三船敏郎!世界のミフネがいよいよ登板です。おかげで前作で関東ヤクザ代表を演じた菅原文太は一転して中島組傘下の切り込み隊長へシフト。でもこっちの関西ヤクザのほうが活き活きとしてますね。で、その文太の親分に嵐寛寿郎。この組み合わせはどうしても岡本喜八の「ダイナマイトどんどん」を連想しますが、アラカンの耄碌キャラもほぼ一緒です。
今回中島組を仕切るのは新若頭の大卒ヤクザ・松方弘樹。それを妬んだ成田三樹夫(あれ?引退しなかった?)は関東側に情報を流してしまったのがバレて蜂の巣に。せっかく冒頭からひとりフルスロットルで飛ばしてたのに実にもったいない。その成田に裏切りを持ちかけるいつもクールな佐藤慶、出番は少ないけど異様な雰囲気を振りまくヒットマン野坂昭如(!)、ニューハーフ軍団に袋叩きにされるというシュールな絵面を披露する渡辺文雄、そして香港マフィアの大物として後の人間国宝・十二世茂山千五郎まで登場。藤岡琢也&田口計の総会屋コンビもいい味出してました。
後半は東南アジア某国の石油利権を巡って、来日した大統領への貢物に仕立て上げられる
結局、敗北を認めた松方は佐分利信との葛藤の末に自決してしまうんですが、なんだか前作の焼き直しっぽい結末でした。そもそも佐分利信自体がミスキャストのような気もしてきた(ついでに三船も)…。
終わってみると、恋と野望に賭ける旧華族の令嬢というスケールの大きなキャラクターを演じた岸田今日子が一番よかったです。あと独裁者のわりに人の良さそうな大統領のユセフ・トルコも。