ロバート・B・パーカー「忍び寄る牙」

 ゲオでハードカバー版が100円だったので購入。
 自分は原作より先にトム・セレック主演のTVムービーでこのシリーズに入っていたので、文中で主人公のジェッシィ・ストーンが35歳と書いてあって驚愕。同い年じゃないですか…しかもTV版よりずっとモテモテさんだし…。
 巻末の解説文にもあるようにリチャード・スタークの「悪党パーカー」を思わせる非情な犯罪のプロ・マクリンと、警察署長ジェッシィの対決そのものより、そこに至るまでのプロセスに力点を置いた物語が簡潔な文体としびれるような会話の応酬で描かれていて、故・菊池光氏による独特の訳文とあわせてじっくりと堪能しました。
 “孤島にある高級住宅地をまるごと強奪する”というスケールの大きさゆえか、シリーズ第2作ながら前述のTVムービーでは映像化されていないのですが、もし映像化されていたらマクリン役は誰がいいだろう…個人的には若いころのジェームズ・ウッズを想像していましたが。