遺跡の人になりたかったよ
- 作者: わたべ淳
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2007/12/12
- メディア: コミック
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ちょっと前に昔の職場の人が、
遺跡調査といっても、高規格道路の敷設用地に遺跡が埋まっていないかどうか確かめるための確認調査なんですけどね。ほかの作業員さんたちもみんな知っている人ばかりだったので、わりと気楽な現場でした。
調査方法はいたってシンプルなもので、遺跡がありそうな地域を等間隔に重機で掘り起こし、掘った土の中に土器や石器が混じっていないか、スコップなどでより分けつつ目視で確認するだけです。
(ちなみに、当地で以前発掘された土偶がこれ。他に類を見ない特異な形状で、死者を弔う呪術的な意味があるのではないかと言われています。ちょっと不気味。)
さいわい天気にも恵まれ、ちょっと動くと暑いくらいの陽気。12月なのに…。
この地域一帯には摩周岳の噴火によって降りつもった厚い火山灰層があるため、その下にある縄文時代の地層を掘り起こすために、かなり深く掘る必要があります。
けっこう深いです。うちの地元を“寒村”呼ばわりした某ブロガーをこの穴に投げこんで生き埋めにしたらさぞや痛快だろうと思いましたが、どうせ来年あたりには工事で掘り返すよ、と言われてあきらめました。まったく悪運の強い奴だ。
お昼はひさしぶりに草の上でのんびり弁当を食べました。
向こうの丘の上にはオジロワシのつがいが羽根を休めていて、ときどきわれわれに向ってするどく威嚇の声を上げています。
しばらくすると飛び去っていきましたが、翼を広げると「空の大怪獣Q」か!と思うくらいのデカさ。止まっている姿を至近距離で見ても、かなりビビります。
こちちはオジロワシの幼鳥。
結局、一日がかりで十数か所を掘ってみたものの、出土物はゼロ。
実はこのすぐ横が住宅地のため、宅地造成の段階で結構掘り返していたようで、かなり深い部分からも明らかな近代の廃棄物が出てくることが多く、そのたびに「オーパーツだ!」という声が(主に自分)。
残念ながら遺跡は発見されませんでしたが、これでもし発見されていれば本格的に発掘調査が始まって、ぼくの食い扶持も稼げる新たなる学術的発見に寄与できたかもしれません。
当ブログでは、これからもアカデミックな話題をみなさんにお届けしていきますよ!