新・片腕必殺剣

新・片腕必殺剣 [DVD]

新・片腕必殺剣 [DVD]

 ジミー・ウォングがショウ・ブラザーズを去った後、張徹監督がデビッド・チャンを起用して撮った新たなる“獨臂刀”の物語。
 人体切断満載の残酷描写は健在だが、他の張徹映画と比べると闘死シーンそのものは押さえ気味で、片腕映画に付きものの特訓シーンもなし。その分主人公とティ・ロンラブストーリー純粋な男の友情が前面に押し出され、94分とテンポの良い作劇と相まってバランスの取れた仕上がり。欧米で人気が高いというのも分かるような気がする。
 男2人が義兄弟の契りを交わす場面では、
デビッド・チャン「おれは過去に武術を捨てた男だぞ、いいのか?」
ティ・ロン「そんな昔のことは気にしないさ!」
 美男子同士が目と目で交わす熱い視線。がっしり組まれる肩と肩。思わず横にいたヒロインのリー・チンも嫉妬するほどのアツアツぶり。
 そのあとティ・ロンは悪党の罠にかかってあえなく胴体真っ二つにされ、怒ったデビッド・チャンは白装束に身を包み、100人の敵+ギミック付き三節棍を操るクー・フェン(谷峰)との大決戦に臨む!
 もうひとつこの映画が優れているのはサウンドトラック。オリジナル曲(多分)もかっこいいけど、伊福部昭ジョン・バリーラロ・シフリンが何の違和感もなく共存する音源チョイスには脱帽。ショウブラの選曲者はやっぱり天才。
 あと、クー・フェンって老けメイクすると、田村高廣にそっくりだよね。