9月は再刊文庫の国

 いつも読書ガイドとして大変お世話になっている「本棚の中の骸骨」さんの“注目の新刊・近刊”コーナーですが、9月の早川と角川文庫がなかなか渋いタイトルを再刊するようです。

9月10日刊
ルシアン・ネイハム 『シャドー81』
戦闘機に乗る謎の男が、旅客機のハイジャックを通告した。冒険小説の名作、遂に復活。
(ハヤカワ文庫NV 予価1008円)

9月10日刊
マーティン・クルーズ・スミス 『ゴーリキー・パーク 上・下』
ゴーリキー公園で発見された死体。捜査官レンコはソ連社会の暗部へと迷い込んでいく。
(ハヤカワ文庫NV 予価各882円)

ゴーリキー・パーク」は未公開ながら映画版もかなりの力作(登場人物が全員普通に英語を話す点を除けば)。これと「サンダーハート」はマイケル・アプテッド監督の隠れた逸品です。

9月10日刊
アントニイ・バージェス時計じかけのオレンジ 完全版』
前文庫版には未収録だった最終章を付加。本当の結末に驚愕せよ。解説=柳下毅一郎
(ハヤカワepi文庫 予価840円)

9月25日刊
小林信彦編 『横溝正史読本』
名探偵・金田一耕助のモデルは? 『獄門島』 『八つ墓村』 ほかのトリックはどのように思いついたか? 作家・小林信彦氏相手に主要作品の舞台裏を初めて明かす。空前のブームの最中に編まれた横溝正史読本、待望の復刊。
(角川文庫 予価540円)

9月25日刊
リチャード・スターク 『汚れた7人』
生い立ちも過去も一切わからない、冷徹で、タフで非情なプロの犯罪者パーカー、彼の頭の中には正義感や恋愛感情といった感傷的なものは存在せず、あるのは自らのルールのみ! 悪党パーカー・シリーズ第7作。復刊。
(角川文庫 予価540円)

 特に「汚れた7人」にはビックリ。「カジノ島壊滅作戦」と「死神が見ている」も出るのか?この機会に早川さんも残りのシリーズを復刊すればいいのに。
 ついでに映画版「汚れた7人」や「組織」「殺しの分け前/ポイント・ブランク」に「ペイバック/ディレクターズ・カット」と、映画になったパーカー・シリーズもDVD出ないかな…。あ、「殺人遊園地」を映画化した「スレイグラウンド」なんてのもあったっけ。