世界最速のインディアン

 ものすごいストレートな物語を、ものすごいストレートに演出した映画。でも見終わると結構心地よい。
 基本的に善人しか登場しない話だが、中盤ではそこはかとなくアメリカの田舎独特の乾いた不気味さが漂っているのに感心。アンソニー・ホプキンスが荒野の一軒家を訪ねるシーンは、一瞬「悪魔のいけにえ」みたいでドキドキする。それと老人同士の恋愛とかセックスのあっけらかんとした描写は、やっぱり欧米人に一日の長があるなあ。