ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝/アイアン・モンキー

 買ったまま寝かせてあった香港映画のDVDを立て続けに見る。
 本家「黄飛鴻」シリーズのツイ・ハークが製作に回った、ユエン・ウーピン監督作品。武術指導は弟のユエン・シュンイーで、人のいい役人役で出演もしている。
 「チャーリーズ・エンジェル」の格闘シーンは本作の強い影響を受けていることをマックG監督が公言しており、実際、劇中でジーン・ウォンが4人の少林僧を相手に立ち回りするシークエンスは、「チャーリーズ〜」で捕らえられたドリュー・バリモアが悪漢どもをぶちのめすシーンにほとんどそのまま引用されている(ちなみに「チャーリーズ〜」の武術指導はやはりユエン・ウーピンの弟のユエン・チョンヤン)。
 ドニー・イエン扮する黄飛鴻の父・黄麒英が理不尽なくらい息子に厳しかったり、どうでもいいところで見栄を張るのが後年の黄飛鴻そっくりで、「ああ、だからあんな息子に育ったんだ…」と思わせるのがオカシイ。
 ヤム・サイゴン以下の悪役たちがどんなに非道な真似をしても、どこか間の抜けた人間くさい連中として描かれ、残酷場面もあまり生々しくないあたりに、ウーピン監督の人柄が窺えるようである。

 ちなみに黄飛鴻を演じた子役のツァン・シーマンが実は女の子だというのは結構有名な話だが、今なにやってるんだろうと思って調べたら、香港代表武術チームの一員として活躍した後、現在は香港警察に勤務しているとのこと。

 全然顔変わってないなあ。