必殺仕掛人
- 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
- 発売日: 2002/08/24
- メディア: DVD
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藤枝梅安は緒方拳から田宮二郎に交代。シリアスとギャグの切り替えが絶妙だった緒方梅安に対し、田宮の梅安はどんなに軽口を叩いても暗い翳りと色気が滲み出し、体格の良さも原作のイメージに近い。西村左内はクールな林与一に替わって高橋幸治が演じ、こちらはより人間味が加味。音羽屋半右衛門・山村聰と、岬の千蔵・津坂匡章(現・秋野太作)はテレビから続投。ただし中村玉緒は出ません。
仕掛の標的となるのは、なぜか左内を気に入る悪徳同心・室田日出男、梅安の裏の正体を知る元盗賊・川地民夫、そして実は梅安と過去の繋がりを持つ悪女・野際陽子。特に野際陽子はいつもとイメージが違いすぎて、最初誰だか分からなかった。室田日出男は東映仕込みの派手な死にっぷりを披露するが、断末魔の血みどろ顔面ドアップがブルーフィルター処理されててかわいそう。
淡々とした描写に凄味が漂う仕掛シーンにハードなどんでん返し、新たな標的の男が大笑する顔に「完」の文字が浮かぶ凄い結末。ハードボイルド時代劇の佳作。