北海ハイジャック

 これも久々に再見。アンドリュー・V・マクラグレン監督とロジャー・ムーアが「ワイルド・ギース」に続いてタッグを組んだ海洋冒険アクション。やっぱりジャック・ワトソンも出てる。
 ただし前作のような大掛かりな戦争映画ではなく、北海油田という限定された場所を舞台に、爆弾を武器に巨額の身代金を要求するアンソニー・パーキンスの一味と、ロイズ保険の為に働く私設潜水チームを率いるムーアとの虚々実々の攻防がメインに据えられ、ほどよくユーモアの効いた英国製冒険小説の佳品といった感じ。
 007のイメージを破壊すべく、慇懃無礼で女嫌い、猫を溺愛し趣味は刺繍という風変わりなキャラクターに果敢に挑むムーアが微笑ましく、「レガシー」「メデューサ・タッチ」のマイケル・J・ルイスによるスコアもひたすらカッコイイ。
 ユニバーサルから発売されたDVDは例によって少々字幕翻訳がおかしいが、見ている内に気にならなくなるほどの面白さ。
 ラストの爆弾投下の件は、「ザ・ロック」にそのまんま引用されている。