マイケル・マーシャル「孤影」

孤影 (ヴィレッジブックス)

孤影 (ヴィレッジブックス)

前作「死影」に続く三部作の第2弾。
奇想天外な謀略サスペンス+サイコ・スリラー、そこに未知動物が絡んでくると言えばマイケル・スレイドの「カットスロート」が連想されるが、マーシャルはもともとSF作家だけあって、平気で反則技を繰り出すスレイドよりはずっと手堅くまとめている(それでもやっぱりヘンな話だが)。
前作同様に一人称と三人称が入り乱れ、一見無関係なエピソードが最後に帰結するスタイルはとっつきにくい印象を与えるが、キャラクター造形が上手いので最後まで読ませる。
とりあえずこの大風呂敷をどう〆るのか、完結編に期待したい。

実はこのカバーイラストもかなりネタバレなのだが。